2006年 07月 17日
自然からもらった色 -chihoさんの作品展- |
今日は、このブログにもコメントを寄せてくださるchihoさんとそのお仕事を紹介します。
chihoさんこと安部智穂さんは、岩手の山間部、川井村のタイマグラというところに住んでいる染色家です。タイマグラは美しい高山植物で知られる早池峰山の麓にあります。昭和の最後になってやっと電気がひかれ、それまではランプで生活していたという、人里離れた場所です。
戦後の開拓で10軒あまりの農家が入植しましたが、高度成長期にほとんどの人が去り、最後には老夫婦の住む一軒だけになっていたそうです。そこに一人の青年が、各地を旅した末にこの地を訪れ、住み着き、民宿を開きました。その後、この土地に引き寄せられるようにして、現在全国から6世帯の人々が移り住んでいます。智穂さんもこの民宿を訪れ、この土地や人々との出会いの中で、タイマグラに移り住むことを決めた一人です。
去年の8月に初めてお会いして以来、折に触れてお会いする機会があり(いつもびっくりするタイミングで突然目の前に現れる智穂さんです!)、その作品、お人柄、発せられるパワーに魅
かれ、とうとうおうちにも押しかけてお邪魔しました。
おうちでは、各地の作り手さんの手仕事による、道具や器を大切に使う暮らし方と、素材を生かしたアイディア満載の手料理の美味しさ(!)に感動し、ますます魅かれている、そんなお友達です。
生まれ育った横浜を離れ、タイマグラで暮らすことを選んだ智穂さん。染色家として、染色の素材や環境を求めて、というのも大きな要素だったと思いますが、タイマグラでの暮し――畑で好
きな野菜を作ったり、裏山の木の蔓で編み細工をしたり、炭を焼いたり、ヤギを飼ったり――という暮らしの一部として、周りの草木で布を染める、という営みがある、といった風に、まるごとこ
の地での暮しを選び、楽しんでいるように思います。
そんな智穂さんがお仲間と開く作品展が、夏から秋に次々と催されます。タイマグラの自然からいただく草木を使って、智穂さんが大切に染めた布の色は、本当にやさしくて美しいのです。
(ふきのとう染め。写真だとまだまだ色がうまく表せていません。ごめんなさい。)
8月のグループ展では、智穂さんのパートナーの奥畑正宏さん(工房名は「南部桶正」さん)の作る桶も出品されます。木目が美しく、香りや手触りが優しい風呂桶やお櫃など、本当に素敵です。工房も見せていただいたことがありますが、桶のサイズ毎に用意されたセンという刃物、かんな、かんなを研ぐための砥石。砥石は約一日かけて、刃物の丸みに合わせて正宏さんが削っていくのだそうです。実にたくさんの道具を使った桶作りの技術に圧倒され、「すごい!すごい!」の連発でした。
いや、もう彼らの魅力はいくら話しても足りません。是非お一人お一人の眼で肌で、感じていただければと思います。
七夕展 ― 手から生まれる一期一会
7月28日(金)~7月30日(日)10:00~17:00 ※最終日は16時まで
草木染 安部智穂(工房彩iro)
ガラス 西村裕美、里美(てしごとにしむら)
陶磁器 高橋昌子(クラフトマンスタジオ冬扇)
会場 南昌荘 盛岡市清水町13-46 ℡ 019-604-6633
和みの道具展
8月25日(金)~8月27日(日)10:00~17:00 ※最終日は16時まで
陶器 アトリエMORO 秋谷茂郎
とんぼ玉と木彫 大塚卓
刳物 松本創作木工工房 松本和男
製桶 南部桶正 奥畑正宏
野の草染め工房 彩 安部智穂
東北の編組細工 ニギョウ細工 岡本米蔵
箒 高岡與作
ヨコタカゴ 鈴木利雄
クルミ皮細工 菅原アサ子
会場 南昌荘 盛岡市清水町13-46 ℡ 019-604-6633
※お二人の暮しが盛岡の情報紙マ・シェリに紹介されました。ウェブでは写真をふんだんに使った誌面を見てもらえなくて残念ですが、よい紹介ですのでどうぞご覧ください。
chihoさんこと安部智穂さんは、岩手の山間部、川井村のタイマグラというところに住んでいる染色家です。タイマグラは美しい高山植物で知られる早池峰山の麓にあります。昭和の最後になってやっと電気がひかれ、それまではランプで生活していたという、人里離れた場所です。
戦後の開拓で10軒あまりの農家が入植しましたが、高度成長期にほとんどの人が去り、最後には老夫婦の住む一軒だけになっていたそうです。そこに一人の青年が、各地を旅した末にこの地を訪れ、住み着き、民宿を開きました。その後、この土地に引き寄せられるようにして、現在全国から6世帯の人々が移り住んでいます。智穂さんもこの民宿を訪れ、この土地や人々との出会いの中で、タイマグラに移り住むことを決めた一人です。
去年の8月に初めてお会いして以来、折に触れてお会いする機会があり(いつもびっくりするタイミングで突然目の前に現れる智穂さんです!)、その作品、お人柄、発せられるパワーに魅
かれ、とうとうおうちにも押しかけてお邪魔しました。
おうちでは、各地の作り手さんの手仕事による、道具や器を大切に使う暮らし方と、素材を生かしたアイディア満載の手料理の美味しさ(!)に感動し、ますます魅かれている、そんなお友達です。
生まれ育った横浜を離れ、タイマグラで暮らすことを選んだ智穂さん。染色家として、染色の素材や環境を求めて、というのも大きな要素だったと思いますが、タイマグラでの暮し――畑で好
きな野菜を作ったり、裏山の木の蔓で編み細工をしたり、炭を焼いたり、ヤギを飼ったり――という暮らしの一部として、周りの草木で布を染める、という営みがある、といった風に、まるごとこ
の地での暮しを選び、楽しんでいるように思います。
そんな智穂さんがお仲間と開く作品展が、夏から秋に次々と催されます。タイマグラの自然からいただく草木を使って、智穂さんが大切に染めた布の色は、本当にやさしくて美しいのです。
8月のグループ展では、智穂さんのパートナーの奥畑正宏さん(工房名は「南部桶正」さん)の作る桶も出品されます。木目が美しく、香りや手触りが優しい風呂桶やお櫃など、本当に素敵です。工房も見せていただいたことがありますが、桶のサイズ毎に用意されたセンという刃物、かんな、かんなを研ぐための砥石。砥石は約一日かけて、刃物の丸みに合わせて正宏さんが削っていくのだそうです。実にたくさんの道具を使った桶作りの技術に圧倒され、「すごい!すごい!」の連発でした。
いや、もう彼らの魅力はいくら話しても足りません。是非お一人お一人の眼で肌で、感じていただければと思います。
七夕展 ― 手から生まれる一期一会
7月28日(金)~7月30日(日)10:00~17:00 ※最終日は16時まで
草木染 安部智穂(工房彩iro)
ガラス 西村裕美、里美(てしごとにしむら)
陶磁器 高橋昌子(クラフトマンスタジオ冬扇)
会場 南昌荘 盛岡市清水町13-46 ℡ 019-604-6633
和みの道具展
8月25日(金)~8月27日(日)10:00~17:00 ※最終日は16時まで
陶器 アトリエMORO 秋谷茂郎
とんぼ玉と木彫 大塚卓
刳物 松本創作木工工房 松本和男
製桶 南部桶正 奥畑正宏
野の草染め工房 彩 安部智穂
東北の編組細工 ニギョウ細工 岡本米蔵
箒 高岡與作
ヨコタカゴ 鈴木利雄
クルミ皮細工 菅原アサ子
会場 南昌荘 盛岡市清水町13-46 ℡ 019-604-6633
※お二人の暮しが盛岡の情報紙マ・シェリに紹介されました。ウェブでは写真をふんだんに使った誌面を見てもらえなくて残念ですが、よい紹介ですのでどうぞご覧ください。
by xiaoxiangtea
| 2006-07-17 23:34
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