2010年 02月 22日
善隣館茶会が終わりました! |
光の強い青空を見ていると、空気はまだ冷たくても、「春だな~」と思えてきます。
皆様のところではいかがですか?春の足音聞こえていますか?
先週は、イベントが目白押しでした。
少しずつ、ご報告します!
まずは、18日木曜日は、毎月恒例の善隣館茶会でした。
今月のテーマは、「ちょっと、焙煎のお話」。
最近火入れをしたお茶があったので、焙煎の前と後とをくらべて飲んでみていただこう!をメインに、新しく火入れをして最近紹介をはじめた(または始める予定の)お茶を3種、召し上がっていただきました。
まずは、「気仙茶09年やぶきた」を、焙煎の前と後の飲み比べ。
茶葉(茶乾)で色や香りを比べる。
温めた茶碗に茶葉を置いて、また香りなどを比べる。
そこに熱湯を注ぎ、注いだ瞬間から葉が開いていくまでの様子を比べる。
そのときの、葉の見え方、茶湯の透明度、色のグラデーション、茶のエキスの抽出の様子。
茶湯の香りをれんげで聞く。
香り(鼻からを中心に感じる、れんげが乾きながら立ち上ってくるもの)の「色」、「音」。からだの感じ。
茶湯を飲む。
味(口に含み飲み込むことで感じるもの)の「色」、「音」。からだの感じ。
「香りの『色』って?『音』って???」
この記事をご覧になっている方も、なんのこと?と思われるかもしれませんね。
参加者の皆さんも、はじめは、なんのこと?と思われたようです。
私なりの表現なんだと思いますが、
香りが、「甘い」とか、「果物のようだ」とか、は、感じることの一部分で、「色」のようなものかな、と思っています。
そのほかに、れんげからたちのぼる蒸気を鼻から吸い込むと、からだが温かくなったり、肩の辺りが気持ちよくなったり、逆にこわばったりします。これが、からだで感じること。
そして「音」。これは、いつからかわかりませんが、立ち上る蒸気を吸い込むと、音の高低が聞こえてくるようになりました。なんとなく清んだ高い音、とか、低く、下がっていく音、とか。
それら、「感じること」が、何を表すのかは、よくわからないことも多いのですが、いろいろなお茶を試し感じてみて、その感覚の正体をつかんでいきたいなあ、と思っています。
それに、正体はわからなくても、「感じてみよう」と、自分の感覚に耳を澄まし、感じる世界は、単純に、面白いなあ、と思うのです。
で、みなさんにもそんな体験を、と、段階的にお茶を比べて感じていただきました。
すると・・・・
面白い!実に面白い感想が次々と出てきましたよ!
「音が聞こえました。焙煎後は、高くて清んだ音。焙煎前は、低くゆったりと流れる音。」
「季節を感じました。焙煎前は、春。焙煎後は、秋。」
「香りが、焙煎前は鼻の入り口でもやもやとあって、入っていかない感じ。
焙煎後は鼻の奥まですうーっと入っていく感じ。」
「焙煎前は、はかなく拡散してしまうけれど、焙煎後は、まとまって、まるく、とどまっている感じ」
「焙煎前は、幼稚園児がたくさんいる感じ。焙煎後は、いい感じに年をとったお爺さんがたくさんいる感じ(笑)。」
ほかにも、皆さんそれぞれの表現の方法で、二つの違いを表してくださいました。すごい!!
参加者の皆さんは、もうこのお茶会を始めた10年前から、ずっと出てくださっている方もいらっしゃるし、一方、初参加の方もいます!
半分以上は、この一年、毎回お茶とお菓子を楽しんでいらした方々ですが、特別な「お茶の勉強」をしてきたわけではないのに、この感覚の豊かさ!表現のユニークさ!面白い!
率直に、お茶に向き合い、感覚を開いて、感想を表現してくださった参加者の皆さん、ありがとうございました!
お茶を直に感じること、これからも続けていきたいと思います。
ちなみに、今、私の好きなお茶は、少し高めで清んだ音がして、飲むとおへその下や手足まで温まるような感覚があって、鼻の奥まですーっと香りが届き、肩が楽になってくるようなお茶です。
そんな風に感じるお茶は、どんなところで、どうやって作り、どう仕上げたか、共通するところがあるように思います。
さて、お茶の飲み比べの後は、少し前に仕上げた「白葉単そう」と、雲南黒プーアールの新ロットをお出ししました。
白葉単そうは、何回か前にお出しした、焙煎後数年経ったお茶に比べて、「全然違う!」と驚きの声が上がりました。格段に香りの輪郭がくっきりとして、まとまりが出てきた、とのご感想です。
最後の雲南黒プーアールは、「やっぱり落ち着くね~」「ほっとするね~」との声。肩の力もすっかり抜けて、ほっと落ち着くお茶でした。
以上、今回も盛りだくさんのお茶会でした。
次回、3月は11日(木)。
この会では「茶馬古道に思いを馳せながらお茶を飲む会」です。
古喬木の葉で作った熟茶プーアール(未焙煎)を含めて、お茶を3種とお菓子を楽しんでいただきながら、いにしえよりお茶を運んできた茶馬古道のお話をしたいと思います。
どうぞお越しくださいませ~
by xiaoxiangtea
| 2010-02-22 12:15