2008年 01月 16日
二十歳 |
この頃の盛岡は、とっても冷え込んでいます。気温は一年で最も低い。寒さの「底」です。
でも、日差しはもう、冬の初めのものとは違って強くなっています。「こんなに寒くても、やっぱり季節は夏に向かっているんだ」と、ハッとさせられるほどの強さです。
冬来たりなば春遠からじ。「底」ではもう、上へ、明るい方への変化が確実に始まっているということなんですね。
この間の日曜日、盛岡では成人式がありました。
そして、成人式を終えたSちゃんが、お振袖姿で寄ってくれました。
(お母さまのお振袖を着たSちゃんは、本当に晴れやかでかわいらしくて、輝くような美しさでした!)
テーブルには、帰省する度にいらしてくださる、私とほぼ同年輩のお客様がお一人。
「じゃあ、成人のお祝いのお茶を飲みましょう!」と、三人で「二十歳のお茶会」をしました。
お出ししたのは、Sちゃんと同じ、二十歳になったプーアール茶。
師匠が、15年前に5年保存したお茶を購入し、その後数回焙煎をかけて仕上げたというものです。
「同じ時間生きてきたお茶なんだなあ」
「なんだか、人間の二十歳は若々しいけど、お茶の二十歳は随分成熟した感じだね」
なんて、話をしながら飲み進めていきました。
私は、普段このお茶を飲む時とは、何か違う気持ちで飲んでいました。目の前のSちゃんが生まれたての赤ちゃんだった頃から今までの、Sちゃんのご家族の時間を思いました。その時間はやはり、このお茶の味わいをここまで成熟させるほどの時間だったのだと思いました。
一緒に飲んでいたお客様が「二十年前かあ・・・・」とおっしゃってしばらく考えていらっしゃいましたが、そのうちに口を開き、ぽつぽつとこの二十年のことを語ってくれました。
ちょうど二十年前、大きく方向転換し、学校に入りなおし、それ以来今まで、激動の、でも充実した時間を過ごしていらしたこと。「そうだった、あれはちょうど二十年前だった」としみじみとおっしゃいました。
みんな、同時代の二十年を生きてきて、今それぞれに、ここにいるということ。二十歳のお茶会は、しみじみと今までの二十年、これからの二十年を思う時間となりました。
「二十年後も、また集まって一緒にお茶を飲みたいね!」そう言って終わった「二十歳のお茶会」。それまで、少しだけでもこのお茶を取って置き、今度は四十歳のお茶にして飲みたいと思います。
by xiaoxiangtea
| 2008-01-16 13:12
| 日々雑感