2015年 01月 01日
茶が心身を整えるということについて(Mさんへ) |
このことについて、Mさんのご質問に答える形で、少し考えてまとめた。
以下に掲載しておく。ご興味があれば・・・
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このたびは、お茶のお求めありがとうございました。
お体の冷えによいお茶や、夜ぐっすり眠れるお茶がないか、探していらっしゃるのですね。
私のご紹介しているお茶について、どなた様にも「必ず冷えに効く」とは言えませんが、私自身が感じているいくつかのことを、お伝えしてみたいと思います。
1 体を温めるお茶とその飲み方
私は、雲南黒プーアール、邦崴青茶、ムーンティー、健一自然農園の紅茶や烏龍茶など、ご紹介しているお茶はどれを飲んでも体が温まる感覚があります。
より確実に体が温まるように、と思う時は、
・温かいお茶(熱くてもよいですが、温かい、というくらいでも)
・静かにして飲む。(テレビ、ラジオ、パソコン等々を止める)
・できるだけ、口の中に数秒、お茶を含んでから、飲みこむ。
・体を緩める(脱力する)
というようなことを心がけています。
・ゆっくり香りを聞き、深呼吸する。
なども更によいと思います。
そして、一口飲み下したら、しばらく静かにしていることも大切です。
上のような飲み方をすると、内圧で背骨周りが広がったり、腰が広がったり、肩や胸が広がる感覚など出てくるかもしれません。私はあります。そうしたら、内圧・体の動きに任せてください。一口飲み下して、体の中で沸き起こる動きを待ち、それに任せることに集中します。
体の反応は、飲み下す以上に、鼻や口腔内の粘膜からの信号?による方が早いように思いますので、香りを聞くことや、口に含んでおくことは、大切です。
また、飲み下したときは、背骨に沿ってお茶が降りていくような感じもとらえられるかもしれません。その時は背中がよく温まると思います。降りていくのを受け止めるような感じで、下からおへそに向かってひきあげると、お腹(丹田)でぶつかって、丹田から体全体が温まってきます。これは、気功の考え方にもつながっています。
お茶会の時の参加者の方との話でもありますし、最近考えていることでもありますが、
「お茶を飲んで体が温まるとはどういうことか?」
今のところ、それは、「体が緩み、巡りがよくなる(気、なのか、血液なのか、リンパなのか、はたまた何なのかはわかりませんが)」、ということではないかと私は思います。
体を緩める方法は、様々あると思いますが、飲食物が持つ信号を受け取って緩めるというのも一つの方法だと思っています。
私の経験上、無肥料栽培か有機栽培のもので勢いのあるもの、を飲食する時、体が緩み巡り、温まるようです。(無肥料栽培・有機栽培というものなら必ず、ということではなく、一つ一つ、飲食する時の感覚をつかまえるようにして、自分なりの判断をするべきかと思います。)
私からお勧めするお茶は、どれも、そのような素材のお茶です。
これらを飲食する時、なぜ体が緩み、温まるのか?は、目下の私の研究課題です。
2 眠りやすいお茶、について
眠る前には、頭に上っている血?気?を下げることが大切です。寝る前にパソコンを見ない、静かにする、などの、寝付きをよくするアドバイスも、そういう趣旨だと思います。
お茶にも、頭に上るお茶、腹に下がるお茶があります。私のご紹介しているお茶でも、焙煎前は、頭に上る(中国語で「旺」とか「浮」)ものが、焙煎後は腹に下がる(「沈」)ようになります。というか、腹に下がるお茶をつくるために、焙煎しているのです。
腹に下がるお茶は、落ち着きます。体も温めるので眠りにつきやすくなります。
腹に下がる、という感覚も、お茶に集中しないと得られません。1で書いたようにして飲めば、感じていただけるのではないかと思います。
よく眠りを妨げるのはカフェインだと言われます。確かにカフェインへの反応は人それぞれ、体質によって違うようです。ただ、私の経験や感覚では、カフェインがあっても腹に下がるお茶もあります。今回お送りする中では、黒プーアール類にはカフェインがほとんどないかもしれませんが、邦崴青茶にはあると思います。でも、邦崴青茶も、私にとっては腹に下がり、眠りを誘うお茶です。
こればかりは、ご自分で飲んで確かめていただく以外にないと思います。
3 一日の始まりにふさわしい、元気になるお茶、について
これも、結局は同じなのです。脱力と、気の充実は、表裏一体だと思われます。ただ、一日の始まりには、多少「旺」でも気が強いものがいいかな、と思いましたので、ムーンティーをお勧めすることにしました。
4 お茶を飲む順番
1~3のように、お茶を飲むことで体に働きかけようとする時、複数のお茶を同時にちゃんぽんで飲むことはお勧めしません。順番に飲む際には、飲み順に配慮してください。というのは、より「沈」な邦崴青茶を先に飲み、次にムーンティを飲むと、単体では「沈」なムーンティーが、「浮」となり、頭に上って寝付けなくなることがあります。体を温めるという意味でも落ち着きません。また、拮抗しているお茶を続けて飲むのも、混乱の素です。お気を付け下さい。
今回お届けするお茶では、古樹黒プーアール≒邦崴青茶>雲南黒プーアール>ムーンティー、だと思います。
ただ、ムーンティーは強いところ(補足:これは「暴れ」だと思われます。もう一度焙煎したりすると落ち着くのではないかと思います)があるのでご注意を。
5 個人的見解
今まで、長々と書いてしまいましたが、全て私の経験や感覚の話であり、個人差があることだと思います。このお茶を召し上がっての効果を宣伝するものではありません。一つのご参考になさってくださいませ。
体が冷えていること、体が温まること、は、様々な要因があることでしょう。私は今回、その中の一つだと思われる「体を緩めること」に着目しました。
定例のお茶会にいらしているお客様が、「お茶会に参加すると、いつも冷えている手足が温まる」とおっしゃっていました。始めは、お茶を飲んで体が温まってくるようだったのですが、回を重ねるうちに、会場に入っただけで体が温まると気づいたそうです。お茶会の前には、体が緩むのだそうです。
この事例は、お茶を飲まなくても、体が緩みさえすれば温まることを示していると思います。その意味では、お茶以外でも体を緩める方法があればよいのですし、日頃から緩んでいる人は、取り立ててお茶を飲んでも変化が感じられないかもしれません。
しかし、実際は、体を緩めること、というのは難しいことではないでしょうか。そのような中で、私のご紹介するお茶は、体を緩めることを、味や香りよりも優先して作っているものであり、試す価値のあるものだとお勧めしたいと思います。
(2015.2.23)
以下に掲載しておく。ご興味があれば・・・
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このたびは、お茶のお求めありがとうございました。
お体の冷えによいお茶や、夜ぐっすり眠れるお茶がないか、探していらっしゃるのですね。
私のご紹介しているお茶について、どなた様にも「必ず冷えに効く」とは言えませんが、私自身が感じているいくつかのことを、お伝えしてみたいと思います。
1 体を温めるお茶とその飲み方
私は、雲南黒プーアール、邦崴青茶、ムーンティー、健一自然農園の紅茶や烏龍茶など、ご紹介しているお茶はどれを飲んでも体が温まる感覚があります。
より確実に体が温まるように、と思う時は、
・温かいお茶(熱くてもよいですが、温かい、というくらいでも)
・静かにして飲む。(テレビ、ラジオ、パソコン等々を止める)
・できるだけ、口の中に数秒、お茶を含んでから、飲みこむ。
・体を緩める(脱力する)
というようなことを心がけています。
・ゆっくり香りを聞き、深呼吸する。
なども更によいと思います。
そして、一口飲み下したら、しばらく静かにしていることも大切です。
上のような飲み方をすると、内圧で背骨周りが広がったり、腰が広がったり、肩や胸が広がる感覚など出てくるかもしれません。私はあります。そうしたら、内圧・体の動きに任せてください。一口飲み下して、体の中で沸き起こる動きを待ち、それに任せることに集中します。
体の反応は、飲み下す以上に、鼻や口腔内の粘膜からの信号?による方が早いように思いますので、香りを聞くことや、口に含んでおくことは、大切です。
また、飲み下したときは、背骨に沿ってお茶が降りていくような感じもとらえられるかもしれません。その時は背中がよく温まると思います。降りていくのを受け止めるような感じで、下からおへそに向かってひきあげると、お腹(丹田)でぶつかって、丹田から体全体が温まってきます。これは、気功の考え方にもつながっています。
お茶会の時の参加者の方との話でもありますし、最近考えていることでもありますが、
「お茶を飲んで体が温まるとはどういうことか?」
今のところ、それは、「体が緩み、巡りがよくなる(気、なのか、血液なのか、リンパなのか、はたまた何なのかはわかりませんが)」、ということではないかと私は思います。
体を緩める方法は、様々あると思いますが、飲食物が持つ信号を受け取って緩めるというのも一つの方法だと思っています。
私の経験上、無肥料栽培か有機栽培のもので勢いのあるもの、を飲食する時、体が緩み巡り、温まるようです。(無肥料栽培・有機栽培というものなら必ず、ということではなく、一つ一つ、飲食する時の感覚をつかまえるようにして、自分なりの判断をするべきかと思います。)
私からお勧めするお茶は、どれも、そのような素材のお茶です。
これらを飲食する時、なぜ体が緩み、温まるのか?は、目下の私の研究課題です。
2 眠りやすいお茶、について
眠る前には、頭に上っている血?気?を下げることが大切です。寝る前にパソコンを見ない、静かにする、などの、寝付きをよくするアドバイスも、そういう趣旨だと思います。
お茶にも、頭に上るお茶、腹に下がるお茶があります。私のご紹介しているお茶でも、焙煎前は、頭に上る(中国語で「旺」とか「浮」)ものが、焙煎後は腹に下がる(「沈」)ようになります。というか、腹に下がるお茶をつくるために、焙煎しているのです。
腹に下がるお茶は、落ち着きます。体も温めるので眠りにつきやすくなります。
腹に下がる、という感覚も、お茶に集中しないと得られません。1で書いたようにして飲めば、感じていただけるのではないかと思います。
よく眠りを妨げるのはカフェインだと言われます。確かにカフェインへの反応は人それぞれ、体質によって違うようです。ただ、私の経験や感覚では、カフェインがあっても腹に下がるお茶もあります。今回お送りする中では、黒プーアール類にはカフェインがほとんどないかもしれませんが、邦崴青茶にはあると思います。でも、邦崴青茶も、私にとっては腹に下がり、眠りを誘うお茶です。
こればかりは、ご自分で飲んで確かめていただく以外にないと思います。
3 一日の始まりにふさわしい、元気になるお茶、について
これも、結局は同じなのです。脱力と、気の充実は、表裏一体だと思われます。ただ、一日の始まりには、多少「旺」でも気が強いものがいいかな、と思いましたので、ムーンティーをお勧めすることにしました。
4 お茶を飲む順番
1~3のように、お茶を飲むことで体に働きかけようとする時、複数のお茶を同時にちゃんぽんで飲むことはお勧めしません。順番に飲む際には、飲み順に配慮してください。というのは、より「沈」な邦崴青茶を先に飲み、次にムーンティを飲むと、単体では「沈」なムーンティーが、「浮」となり、頭に上って寝付けなくなることがあります。体を温めるという意味でも落ち着きません。また、拮抗しているお茶を続けて飲むのも、混乱の素です。お気を付け下さい。
今回お届けするお茶では、古樹黒プーアール≒邦崴青茶>雲南黒プーアール>ムーンティー、だと思います。
ただ、ムーンティーは強いところ(補足:これは「暴れ」だと思われます。もう一度焙煎したりすると落ち着くのではないかと思います)があるのでご注意を。
5 個人的見解
今まで、長々と書いてしまいましたが、全て私の経験や感覚の話であり、個人差があることだと思います。このお茶を召し上がっての効果を宣伝するものではありません。一つのご参考になさってくださいませ。
体が冷えていること、体が温まること、は、様々な要因があることでしょう。私は今回、その中の一つだと思われる「体を緩めること」に着目しました。
定例のお茶会にいらしているお客様が、「お茶会に参加すると、いつも冷えている手足が温まる」とおっしゃっていました。始めは、お茶を飲んで体が温まってくるようだったのですが、回を重ねるうちに、会場に入っただけで体が温まると気づいたそうです。お茶会の前には、体が緩むのだそうです。
この事例は、お茶を飲まなくても、体が緩みさえすれば温まることを示していると思います。その意味では、お茶以外でも体を緩める方法があればよいのですし、日頃から緩んでいる人は、取り立ててお茶を飲んでも変化が感じられないかもしれません。
しかし、実際は、体を緩めること、というのは難しいことではないでしょうか。そのような中で、私のご紹介するお茶は、体を緩めることを、味や香りよりも優先して作っているものであり、試す価値のあるものだとお勧めしたいと思います。
(2015.2.23)
by xiaoxiangtea
| 2015-01-01 11:57
| つれづれ茶論