2005年 07月 01日
やぶきた種の萎凋茶づくり |
気仙での半発酵茶づくりの皮切りは、直前にご紹介をいただいた、ある茶畑のやぶきた種の茶葉の摘み取りから始まりました。
やぶきたの茶葉は、前日に見てきた在来種の茶葉よりもかなり大きめで、成長度合いも、6月10日現在、ちょうど摘み頃でした。
それを、翌日朝から熱風萎凋、室内萎凋と進み、茶葉の香りがよくなるまで続けました。
(萎凋とは、茶葉を萎れさせることです。茶葉を静かに置いておき、時折、揺らしてやる、という作業によって、それを進めます。)
この作業を改めてじっくりと体験することで、茶摘み、萎凋、殺青、焙煎に至るまでのお茶づくりを貫く、一つの「原理」とでも言えるものが少し見えてきたように思います。
作業における、動作、タイミングなどの要点は、全てその目的、原理のためにあると言ってよいのでしょう。
こうして萎凋を進めた茶葉は、諸事情を勘案した結果、少量を釜炒りで、残りを蒸しで仕上げることになりました。
蒸しというのは、茶摘みから焙煎に至るまでの製茶の過程において、ある意味、かなり異質な工程と私は捉えています。私も宋も初めて「蒸し」を経験しました。結果としては、とても甘涼しい味わいを持つお茶になったと思います。
今回の試みで、まずは無肥料で育ったやぶきた種を、萎凋すると、どのような香りになるのか、また、その後釜炒りと蒸しではどのように香気、味わいが変わってくるのか、一つの結果が出たと思います。
ある味わいが、品種の特性なのか、栽培環境・方法によるのか、萎凋の有無によるのか、殺青方法(釜炒りと蒸し)によるのか、を考える、材料が一つできました。
これからも、いろいろに試しながら、味わいの裏側、理由を、理解していきたいと思います。
by xiaoxiangtea
| 2005-07-01 01:32
| 気仙茶ものがたり